THE BACKROOM

2022/11/02 20:05


THE BACKROOMの井上です。

普段から良い服を〜本物を〜なんて言ってる僕なんですが、何がそんなに良いの?と聞かれると、こだわりが多すぎていつもなかなか全てを説明することができません・・・

というわけで今回は少し真面目にTHE BACKROOMがどんな洋服を提供できるのか?それをご説明させて頂ければと思います。

興味のある方はもちろん最後まで読んで頂きたいですが、興味のない方も早くても良いのでとりあえず最後までスクロールしてみてください。

なげぇ・・・それぐらいこだわってるのか・・・って思って頂けるだけで御の字です(笑)

そもそもオーダーメイドと一口に言っても、その人に合わせた型紙を1から作り上げるフルオーダーや、ショップ独自の型紙を使用し理想の洋服を作り上げるパターンオーダーなど色々ありまして、THE BACKROOMに関しては「イタリア製のフルオーダーに近いパターンオーダーを日本最高峰の仕立てで」を意識しており、独自でオリジナルモデルを作製しました。

それがこちらです。



傾斜のついたゴージライン、ソフトな肩周り、広めの肩幅、深めのVゾーン、裾まで抜けたフロントダーツ、なんやそれ?なワードも続きますが、後ほどご説明致します。

イタリア製もミラノ・フィレンツェ・ナポリ、もっと細かく言うとローマなど地域性が仕立てにもかなり反映されてくるのですが、うちの仕立てのベースはナポリ。

一般的なナポリ仕立ての特徴といえば、軽く柔らかい仕立てで着る人の身体に沿うような着心地が特徴でして、肩パッドなどの副資材は極力薄くソフトなものを使い、軽さを保ったまま熟練の仕立て技術で抜群の着心地を実現させています。

イタリア、そしてナポリと聞くと色気や陽気といった言葉が連想できますが、まさにそんなイメージを体現したかのようなリラックスしたジャケットやスーツを作るのが非常に上手なのです。



特に肩周りにはその特徴が大きく出ており、日本人に多い"なで肩体型"に良く合うナチュラルショルダーはソフトで薄い副資材を使っているからこそ、袖付はシャツのようにギャザーが出るのが特徴でして、これはイタリア語で"マニカカミーチャ(雨降り袖)"と呼ばれるナポリの伝統的な袖付方法の一つなのです。

腕の可動域を広げるために、アームホールに対して多めの分量の袖を付けることでこのような雨降りが生まれるのです。

全く上手い例えが思い浮かばないので無理やり数値化すると、可動域10の袖しか付けられないアームホールに可動域15の袖を無理やり付けてしまうと、余った5はどこかに余剰として浮いてきますよね?

その余りの5をアイロンワークで見事消し、可動域15の袖を付けてしまう技術力が腕の動かしやすさに繋がっており、THE BACKROOMのオリジナルモデルも同様の技術を駆使した袖付を採用しております。



ピターッと肩に沿うようなショルダーラインから、パクっと割れた袖、知らないとなんてことのないディテールですが、造詣深いファクトリーでないとそう簡単に実現できるものでもありません。

うちのモデルは"男性的な魅力"が引き立つよう、あえてアームは細くしていません。

逞しいフォルムに見えるのと、物理的に腕が動きやすくストレスなく着用頂けるのであえてです。

とはいえ絶対こうでないと!というわけでもないので、オーダーですしご体型に合わせてこちらから細くすることをオススメすることも良くあります!

首への吸い付きも良く、ナポリらしく"のぼり位置"が高いのも特徴の一つです。



首後ろのシャツの見える面積が狭いのがお分かりでしょうか?

アイロンワークで生地の地の目を首の中心めがけて曲げているので、首にしっかり吸い付くフィッティングとなっているのですが、よく「ジャケットは肩で着る」と言いますよね?

もちろん間違いではないのですが、人間の身体の中心は脊椎、すなわち首でしてココにジャケットの重さを乗せることができるとあら不思議!手に持つと重たいジャケットも着ると軽やかな着心地に。

肩だけで着ている感覚ですと、それが肩凝りに繋がったりすることもあるので、正しくは首(脊椎)で着ると楽に着ることができます。



そして最大の特徴というと裾まで一直線に抜けたフロントダーツ(ポケットを挟んでる縦の縫い目)です。

通常大量生産のジャケットの多くは三面体といって、前身頃・細腹・後ろ身頃という3つのパーツで構成されているのですが、うちのモデルは前身頃・後ろ身頃の二面体構成。

DAL CUOREなどナポリの名だたるサルトが採用するこの仕様は、二面体にすることによりバストのボリューム分量を多く取れるため、より男性的な逞しいフォルムに見えるのです。

比較的胸板が薄く華奢な日本人がイタリアのジャケットを着ると、着せられてる感なく身体ががっしり見えるのは細かな技術で作られているからなんです。





上衿が継ぎ目のない一枚衿だったり、内ポケットが台場仕立てなのは言わずもがな標準装備です。

先程からナポリナポリとそんなにナポリが好きか?思われているかと思いますが、僕自身Belvest、Stile Latino、Alfonso Sirica、DAL CUORE、LUCA GRASSIA、Orazio Luciano、などなど20万〜40万円もするような完成度の高い服を自身で体験して、やっぱり着心地はナポリが一番だと感じて今に至る経緯があり、そんな着心地を10万円台の日本製で近づけられるところまで近づけたいという強い想いがあり、このオリジナルモデルの開発に取り組みました。

とはいえナポリ製は見方を変えると土着的で田舎っぽい、そんな側面もたしかにあります。

自分自身そこに関してはかなり日本的な考えで着心地はナポリ、でも見え方は洗練されていてタイムレスな洋服が作りたいと思っていたので、要所要所に「臭み」を消しながら「どや?セクシーやろ?」なナポリの洋服には近づけない努力もしております。



ですので、あくまでナポリの着心地やディテールをベースには作っているのですが、肩周りのアーム形状はフィレンツェのように自然な繋がりにしていたり、衿型ものぼりの高さはナポリですが、実際に衿のデザインとしてはゴージの傾斜をフィレンツェ寄りでクラシックにしてみたりと、日本人だからこそ作れるオンリーワンなモデルが出来たと自負してます。

とまぁ散々思いの丈を述べたわけですが、結局一番重要なのは着たときに良いと思えるか?そこなんです。

THE BACKROOMのスタイルとしては、クラシックに敬意を払いながらもドレス⇔カジュアルを行き来できるスタイルなので、実際に着た時の良い意味での「癖の無さ」これはご体感頂けるのではないかと想います。

それでも洋服に詳しくない人からも「良い服着てるね。」と、本物を知る洋服屋からは「どちらのジャケットですか?」と聞かれるようですので、そんなご報告を受けてはニヤニヤとしている自分がいます(笑)

THE BACKROOMの洋服を着て、イギリス、イタリア、フランス、アメリカ・・・いや世界中どこへ行った時にも、「カッコいいね」と言われる"世界基準"の洋服を目指していますので、なんとか共感頂けるよう頑張っていきます(汗)

自分自身の理想とそれを実現してくださる職人さんの作品、予約制だからと気になさらずに是非一度見に来て頂ければと思います。

かなり長くなってしまい申し訳ございませんが、また別モデルもありますのでここまで長くはなりませんが、しっかりめに書かせて頂くかと・・・(笑)

また、お付き合いくださいませ。

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