THE BACKROOM

2023/08/04 10:29


THE BACKROOMの井上です。

約1ヶ月後、THE BACKROOMは記念すべき一周年を迎えます。

いや〜思い返すと右も左も分からないまま・・・・・・・・・

なんて振り返りは無事に一周年を迎えられた際にしてみようと思いますが、人生の節目というのはやはり特別な思いが込み上げます。

もう10年前になりますが、落ちるわけないと余裕で受験した某公立S高校、お察しの通り受験失敗してしまいまして・・・

オンライン上で合格発表が見れる今と違って、学校に行き掲示板上にあるはずであろう自らの受験番号を血眼になって探すクラシックスタイルなのですが、探せど探せど「あらへんやんけ・・・」と。

一緒に行った友人2人は合格しており喜び爆発、一方自分はというとその時どんな顔をしていたかは分かりません。

「お、俺落ちてるわぁ・・・じゃあ、行くわ・・・」となんとも言えない空気にしたことだけは覚えています。

そして残酷なことに、受験失敗したその足で滑り止めで受かったFラン市立高校に入学の手続きをしなくてはいけないという地獄のスケジュール。

ですが、そこには自分と同じように挫折を味わった者だけが集まるわけでして、そこで再会する地元の友だちの安心感といったらもう仕事終わりのキンッキンのビールぐらい格別ですよ・・・

たっぷりと傷の舐め合いをしたその友人も一年目で中退してしまうわけですが(笑)

とまぁつらつらと縁起悪い話をしたあとになんですが、結婚式用にタキシードのオーダーを頂きましたのでご紹介させて頂きます。



納期の問題でトルソーに着せた写真が撮れなかったのですが、打ち合わせを重ねて作成したTHE BACKROOMのオリジナルシングルピークドをタキシード仕様にしております。

「フォーマルだけでなく、カジュアルにも着れるように」というのが今回のご依頼。

濃色加工をほどこしたスーパーブラックではなく、敢えてVitale Barberis Canonico(ヴィターレバルベリスカノニコ)のウールを使用することでカチッと感をほどよく抑えた仕上がりに。

衿とボタンは拝絹使用にしてますが、VBCの生地とのコントラストがそれほどないので、良い意味でタキシードっぽすぎない空気感になっています。

サイズ感はほんのり大きめ、肩周りは構築的に、フロントダーツを排してより洗練された印象にしており、裾のスクエアカットは某モードブランドからヒントを得て採用しましたが、これがかなり良い雰囲気です。



パンツは側章を入れておりますが、ストンと落ちるストレートシルエットはフォーマルのみならずパンツ単品でカジュアルに穿ける懐の深さを感じさせます。

意外と、というと失礼ですがジャケットだけなくパンツの仕上がりもかなり良く、もっと皆様にパンツ単品でのオーダーも体験して頂きたいのが本音です。

職人仕立ての立体感のあるパターンは、ジャケット同様安価なカジュアルブランドでは出せない高級感です。



フォーマルであれば2タックがセオリーですが、ノータックで腰とヒップはスッキリさせてます。

最近ノータックでストレート、ノータックでフレアというのがマイブームで、皆様にもこの秋冬のシーズンをきっかけにお試し頂きたいです。

ルールを理解した上で破りにいく。

まさしくTHE BACKROOMのスタイルであり、Tシャツでラフにタキシードを着るってただただフォーマルウェアにTシャツを合わせればいいわけではなく、緻密な計算の上に成り立っているスタイルなので、良い仕立て、良い生地、良いフィッター、どれか一つでも欠けると良い物は生まれません。

多くの人にとってタキシードはそう多く着るものではありませんが、カジュアルにも落とし込むタキシードも最高にカッコいいので、是非ご相談頂ければと思います!

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